『ファースト・マン』 


画像1969年7月21日、リアルタイムでのイーグル着陸は英語の勉強中で見られなかったが、帰宅してTVニュースを渡り歩き、何度もその興奮に酔いしれた。あれから半世紀を過ぎて、いまだに月面探査の次のミッションはなされていない。とてつもない費用のかかる宇宙開発、スプートニク以来ソ連に先を越されてばかりだった米国にとって起死回生となる次の一手は人間を月に送ることだった。しかしそこに至る道筋上には、多くの尊い犠牲があった。そうした背景のもとに、アポロ11号の成功があったわけだが、その立役者となったアームストロング船長の視点で書かれた伝記をもとに作られた映画である。

この映画を観るにあたって何を求めていたのか自分でもよくわからないが、観ている最中は臨場感溢れる映像にハラハラ・ドキドキであったものの、観終わってみると何となく呆気なく、そして何事もなかったような(インパクトのない)映画で終えた。帰還しても英雄扱いされることを嫌い、メディアの取材にも多くを語らず、2年後にはNASAを退官した、というアームストロング船長の宇宙飛行士としての苦悩の一面が炙り出された映画であったからだろうか。アポロ計画に関しては、かつて『アポロ13号』という鬼気迫る映画があって興奮したが、この映画とはまるで違ったものになっている『ファースト・マン』。栄光に満ちた人生といえども、そこには知られざる苦悩と挑戦そして夢があったのである。

思い出すのはアポロ11号のミッションにおいて、実際に月面とヒューストンとのやり取りを聞いたとき、初めて経験する妙な違和感だ。それは、ヒューストンとの会話のタイムラグだった。38万km離れている月との交信では、呼びかけに対してすぐに応答したとしても、3秒近くのタイムラグを生じた。これが、月と地球の距離がとても遠いことを示していたが、映画の中ではそのことは無視されていたように思う。そんな必要のない映画だった。


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この記事へのコメント

  • 宮星

    あの時の感動を・・・思い出します。
    あれから一度も月を目指していないという事は、よほどリスキーな事だったのでしょうね?
    そう遠くない時期に、中国が達成しそうな気がします。
    米国が世界1の座から降りる日になるかも知れません。
    2019年02月10日 19:08
  • argo

    宮星さん、コメント有難うございます。
    宇宙船内の映像がでてきましたが、コクピットに並ぶトグルスイッチに
    時代を感じました。中国はやるでしょうが、米国は火星に行くんじゃ
    ないでしょうか。それよりも人命のリスクなしの日本のサンプルリターン
    の方が凄いと思いませんか?はやぶさ2のリュウグウ着陸は22日です。
    2019年02月10日 19:54

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