金精沢周辺 / 5回目

4日前湿雪だったが、山にはまとまった降雪があった。天気はすぐには回復せず一日置いたが、ドン曇りの中車に飛び乗った。山の天気予報は悪くなかった。現地に到着すると、朝から気温は高く日差しもたっぷりだった。歩き出してすぐにヤッケを脱ぐ。10日振りの奥日光は雪面が下がり、積雪はさらに減っていた。しかし降雪後のまっさらな雪面が広がっていて、そこにトレースを延ばして行く。堰堤広場から覗くS字状ルンゼにはデブリの跡は見えなかった。また国道の除雪は進み、路面の雪はなかった。

いつもの林道には足跡があったが、途中で戻っていた。
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堰堤広場から望む金精山。
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金精沢を詰めて行く。三つ目の橋をくぐると金精山がぐっと近づく。
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雪のない国道をシールのまま渡り、四つの堰堤を越えるといつもの景観が目の前にドドーン!! ところが一帯はデブリの山だった。金精沢の本流もデブリ沢の様相、予想通りだった。沢に入って行くと、デブリの雪は柔らかく、そこを登って行くのにさほど難儀はなかった。おそらく、落ちたばかりなのだろう。朝からこんな気温だから、いつもの滑降バーンも雪崩の巣になっているのかも知れない。今回は稜線まで登る覚悟だったが、滑降はあまり期待できないかも知れない。砕けた雪の塊を越えて金精沢を詰めて行く。ゴルジュにもデブリが詰まっていた。
雪解けの進んだ固い雪面に湿雪が20cm以上積っているという状況で、しかもこの急斜面、ちょっとしたことで簡単に落ちて行く。しかし、周辺一帯落ちそうなところはみな落ちてしまった感じだった。雪は緩んでシールはあまり効かず、快適な登高とは言えなかった。雪が大きく雪崩れているところは地肌が現れていて、春の山を感じさせた。その後デブリは小さくなったが、金精峠が目線よりも下に見えるようになると、サラサラのパウダー部が続いた。滑るにはいいが、急斜面にパウダーが着いているのも登りづらく、スピードが落ちた。

国道を渡り四つの堰堤を乗り越えるとまっさらな金精沢の河原に出る。
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デブリの中に突入して行く。雪は柔らかく、まだ落ちたばかりのようだった。
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ゴルジュ付近もデブリの山だった。
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急斜面のデブリをジグを切って登って行く。
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振り返り金精沢を見下ろす。地肌をみせているところも多くなっている。
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喘登が続く中、分岐点が近づいて来る。気温が高く、汗が噴き出す。
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金精峠が目線よりも下になる。温泉ヶ岳が大きくなって来る。
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ようやく上部の分岐点に出た。勿論左ルンゼを目指す。しかし、シールの利きが悪くなかなか高度を上げて行くことが出来ず、板を脱ぎ担ぐことにした。雪は深いところまで緩んでいて、腿ラッセルになった。それでも、置いた足を踏み固めながら一歩ずつ高みを目指した。ラインは直登して、正面の雪庇を目指す。最後の登りは厳しかったが、頑張るしかなかった。登り詰めた稜線は、ロープの張ってあるいつものところだった。
天気は午前中と思っていたが、登っている途中から雲が流れ出していた。早めに滑降したいと、国境平を目指してひと登り。国境平のポールは前回よりも積雪が多いことを示してはいたが日差しとともにどんどん減ってしまう雪だった。いつものドロップポイントで小休止、シールを剥いで滑降態勢に入る。この雪庇の下はヒドンホールになっているが、今回はそれがむき出しになっていて、雪庇の上からの滑降は無理だった。

金精沢の上部分岐に出ると迷わず左ルンゼに入る。しかし、緩んだ深雪の登りは難しい。
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板を担いで、雪庇の見える稜線に向かって一歩ずつ足を延ばして行く。
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登って来たルンゼを見下ろす。金精峠が遥か下方になった。
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ようやく稜線が近づいて来る。
14.jpg稜線直下の大斜面に足跡を残す。
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シートラの影。金精山の後ろには燧岳が見えて来る。
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稜線に登り上げると雲のかかった日光連山が見えた。
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天気は下り坂、急いで板を履いて国境平に向かう。
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国境平のいつもの岳樺。
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ドロップポイントの雪庇を回り込み、岳樺のトンネルに向かって急な雪面にシュプールを描く。重雪だが快適なターンを決め落ちて行くと、怪しいまっさらなバーンの上に出た。まるで雪崩を待っているかのようなきれいな雪面を見せていた。明らかに、斜面をターンで切ると一気に雪崩れる斜面だった。これは雪崩より早く滑り、途中で向こうの斜面に移るしかない。沢は狭いので、大規模な雪崩にはなり得ない。
意を決してドロップ、背中でザーッという音が聞こえ一気に雪が落ち始める。足元をすくわれる前に向こう側の斜面に移る。雪崩はかなり下まで落ちて行った。雪崩れた後の斜面は快適な斜面になることが多いが、意外に凸凹していた。これを楽しみながら滑って行くとS字状ルンゼの入口付近は、デブリの山と化していた。この急斜面はいつも面白いところだが、デブリをよけながら木立の斜面を活用しての滑降。
落ちたばかりのデブリは雪が柔らかく、1月末のデブリ沢よりも楽だった。恐らくこれらのデブリはすべて自分で落としたものだったが、デブリ沢は三番目の堰堤まで続いていた。シーズン5回の金精沢周辺の山スキーで今年も楽しませてもらった。こんなところで遊んでいる人はいないので今後も貸し切りが続くだろうが、また来年に期待して山を降りた。雪のない国道には除雪車の音がこの日も響いていた。多分、今年は国道の閉鎖解除も早まることだろう。

今まさに雪崩ようとする斜面にドロップ。緩んだ雪にシュプールを描く。
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岳樺のトンネルをくぐって滑降。
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大斜面にターンを決めると予想通り、表層が雪崩れた。ずいぶん下まで流れて行った。
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雪崩れたところを避けて滑降を楽しむ。
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雪崩はいつもの岳樺の巨木をよけるように落ちていた。
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S字状ルンゼの入口。ここから傾斜がさらにきつくなるので、落ちた雪はさらに下まで落ちてしまう。
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S字状ルンゼは、デブリ沢化していた。
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山側の斜面に滑降ルートを選び、際どいターンを繰り返す。
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落ちたばかりの雪塊は柔らかく、スキーでの滑降も何とか出来る。
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デブリをよけながらの滑降で、一気の滑りは出来ない。そのたびにカメラを向けた。
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ルンゼ下部になると、地肌を見せているところが多くなった。
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デブリはこんなところまで落ちていた。
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ルンゼの出口が近づくと、傾斜が緩んでデブリの山が出来ていた。
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もう一度滑降して来たデブリ沢を振り返る。
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ルンゼ出口の堰堤まで降りて終了。今季はS字状ルンゼも二度もデブリ沢になっていた。楽しみは、また来年だ。 
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