一周忌

一年前に亡くなった友人のお墓参りに出かけた。お墓は住んでいたところの近くではなく、我が家からでは少し遠い。住所をナビに入れると、最短でも77kmと出た。高速を入れるとさらに距離が大きくなった。かつて仕事で通っていたルートの延長で、自分の知っているルートで行ってみようと、ナビなしで出発した。130分くらいかかった。意外に渋滞はなくスムーズだったが、右へ左へと進路変更が頻繁だった。

お寺に着いて、水を汲みお墓に行ってみるとお線香が煙を上げていた。お線香の残りから2、30分前まで、どなたかが来られていたのが分かった。彼はドックなどは受けない、いつでも覚悟はできている。何かあれば、それが自分の人生だ、といった考えの持ち主だった。そして高潔の士だった。彼と最後に山に行ったのは、17年の12月だった。多分、彼にとってもこの時が最後の登山であったはずだ。翌年2月にメールが来て、4Stの肺癌ということだった。調べてみると、状況はかなり悲観的なものだった。しかし彼は、それから1年半近く生きた。だから、その後も会う機会を得ることが出来た。

去年6月になって、妹さんから入院の知らせを聞き、すぐに病院に見舞いに行くと、すでに酸素吸入をしていて、苦しそうだった。それでも写真集の出版の目処がついた、ということで笑みを絶やさなかった。出来上がったら、秩父の山小屋に置いてもらえるように私が届けるから、と約束した。彼は笑顔でうなずいていた。数日後、帰らぬ人となった。秋になって、写真集が出来上がり早速雲取山に持って行った。その後、冬が来てそしてコロナも来て、奥秩父の山小屋行脚は停滞している。先週、移動自粛も解除されたので、近く再開したいと思っている。
高橋さん.jpg

お花を挿し、お線香をあげ、水をかけて手を合わせた。お墓には、その写真集が防水を施されて置いてあった。きっと妹さんが置いてあげたのだろう。自分としては、貴重な一緒に山に行く友人を失くし残念だったが、それ以上に奥秩父をホームグラウンドとしていたので、奥秩父の山々に関する話をもっと聞きたかった、という思いがある。秩父の山に行った帰り、平野に降りて来て振り返った夕焼けに浮かび上がる奥秩父の山々を指差し、ひとつひとつその名前を教えてくれたのが懐かしい。安らかに眠って下さい。

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この記事へのコメント

  • 芝刈り爺さん

    仲間を失うことは、、なんと言えばいいやら、安直な表現になりますが、さびしいですよね。山をともに登られたとあっては、世代的にも近いとすると、なおさらです。雨模様の日々ですが、靴も復活したことで、奥秩父の山への巡礼が始りますね。私は、車も苦手(秩父札所巡りはしましたが、車で)、電車でもなんか遠いので、ここ何年か秩父、奥秩父は、行かなくなりました。道路も良くなって、山梨側にも便利になったようですが、どうも私は北方系、、みちのく派なのかも知れません。写真集みたいですね、写真集に引かれて、雲取に、、行けるかなぁ、、です。奥秩父、なめてかかると意外と疲れる山が多い気がしていて、。そこが爺さんたるゆえんでもあります。
    2020年06月25日 08:29
  • argo

    芝刈り爺さん、以前加入していた同人会で知り合った方でしたが、波長が合うといいますか、
    会とは別に一緒に山に行けるような関係でした。大事な友人が、亡くなるというのはとても
    残念なことです。雲取山の山頂避難小屋に置いてありますから、ぜひ見に行って下さい。
    2020年06月25日 09:08