『三度目の殺人』

      裁判というものが、こういうものだとすると、これは問題だと思う。ただしすべて真実を追えばいい       のか、といわれると考えてしまう。何年か前『真夏の方程式』という映画の中で、湯川先生は殺人       犯を見逃す。『相棒』の右京なら、どんなことがあっても情状酌量など許さない。確かに湯川先生       は、警察官ではないが・・。       この映画ではとても…

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『関ヶ原』

関ヶ原の戦いについては、TV番組などでも様々な角度から検証されている。好んでこういった番組を観ているが、映像になってより鮮明になる部分も多い。映画は石田光成に主眼を置いた形で話は進むが、改めて家康のタヌキ親父ぶりが際立っていたし、光成の信望のなさを感じるものであった。 また、天下分け目の戦いというが、当時の大名たちは、決して東軍・西軍にカッチリ分かれて戦ったわけでなく、それぞれ組しては…

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『スパイダーマン』

スパイダーマンも三部作から始まり、アメイジング・スパイダーマンを経てスパイダーマン・ホームカミングとなった。といっても本作はアベンジャーシリーズのひとつとしてリブートされたもの。監督がみな違うのでテイストが異なる。主人公もどんどん若くなって行く感じ・・。それに、スパイダーマンのスーツもどんどんかっこよくなって来た。 一人の高校生が放課後の活動みたいにして、町のパトロールをしながら本物の…

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『ゾンビ』

      久し振りのトム・クルーズの映画とあって期待して観に行ったが、残念。ただひたすらトム・クルー       ズの身体を張った演技が繰り返されただけのゾンビ映画だった。内容もいまひとつよくわからず、       生きているんだか死んでいるんだか、呪いが何であるのか・・?トム・クルーズにしては、随分やら       れっぱなしだったが、どこも骨折も破裂もなく・・。MIシリーズと…

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『殺人犯』

前情報なしで久し振りの映画を見に行った。展開が速く、サスペンスものとしては素晴らしいスピード感だった。しかし最後の結末に、ちょっと無理はなかったろうか・・。藤原竜也と伊藤英明が仕組んでいたとわかると最後がどう展開するのか、と考えた。登場人物はすでに出そろっている。となれば、仲村トオルしかいないのだが、どういう筋立てになっているのか、皆目見当がつかなかった。 中東では今も戦時下にあって、…

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『相 棒』

これほどまでに警察の隠蔽体質が数々の映画で示されている、ということは実はフィクションではなく、本当のことなのではないかと疑いの目を持ってしまう・・。 警察組織が舞台になっている映画は意外と多く、この『相棒』をはじめとして、『アンフェア』、『臨場』、『SPEC』、『踊る大捜査線』、『外事警察』、『S』、『SP』、『MOZU』、『64』などなど。そのいずれにもこういった警察内部の、とくに上…

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『本能寺ホテル』

堤真一といえば、印象に残っている映画は『孤高のメス』。しかし、『三丁目の夕日』も適役だった。何でもこなせる好きな俳優さんだ。綾瀬はるかは人気の高い女優さんだが、普段は天然でありながらも役者としてはなかなかよくやっていると思っている。それに、一般人に自然に溶け込むのもいい感じた。以前、『家族に乾杯』に出ていた時、会津藩を舞台にした大河ドラマの後の福島訪問ということだったが、地元の人にとても良く…

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『沈 黙』

     高校二年の夏休み、現代国語の読書感想文と倫理社会の宿題の両方を姑息にも一冊でこなそう      としてこの遠藤周作の書下ろし作品を読んだ。実はかなり衝撃的だった。宗教というものをよく知ら      なかった(今もよくわからない)当時、何があっても主はいつでも黙っているのに、なぜ人々は踏まな      いのだろうか、と考えたものだ。この時書いた読書感想文は、新学期の授業中に…

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『J・リーチャー』

トムクルーズも歳をとりました・・。鏡の前に立つ後ろ姿の背中がちょっとだけ出たが、お肉がついている様子が窺えた。退役軍人と言えども、悪を暴きあんな凄いアクションをこなすのだから、もう少し締まっていてもいい。 M:I シリーズもそうだが、こういったかっこいいアクションものはハリウッドの派手さには敵わない。そしてトム・クルーズがきわめて似合っている。邦画では警察組織の内部の悪を暴くものが多い…

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『ボク妻』

はじめそんなバカなこと・・と言っていた彩子がすんなり伊藤と見合いをすることになり、えっと思ったが、いやいや本当に結婚したんだ、と有り得ない結末に唖然とした。しかし本当はそこまでのことはなかった。そりゃそうだろう、放送作家が世の中のさまざまなことを「楽しい」に変えてきたというが、家族の在り様を取り換えるなんてことは、それは不可能だろう。 しかし敢えて本気でそうしたいと思い、筋書きを書きそ…

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『グッド モーニング ショー』

事前に何も情報を持たずに見に行った。コメディとはいえ豪華な出演陣、面白そうな雰囲気だった。朝のワイドショーがこんな感じで作られているのか、ということを知った。それぞれの立場や考えのもとに番組は作られているが、結構えげつない。テレビ界にいたという君塚良一監督ならではの番組裏側も少し見せてくれた。 内容的な面、或いは細かい部分などいちゃもんはあるが、役者として西谷颯太役の濱田 岳を見直した…

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はしご

7月以来、事情があって映画から離れていたが、実際あまり見たいという映画もなかったので3ヶ月振りになった。しかも見たいと思っていた3つの映画のうち2つの終了が近いこともあって、上映時間をうまく合わせて2本梯子した。映画のはしごは、初めてだった。 まずは『超高速 参勤交代R』、基本コメディだから気軽に見た。おふざけもいろいろあったが、ちょっとだけマジなところもあって前作同様、楽しめた。『の…

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映画『点の記』

昨夜タイミングよくTVをつけると、BSTBSで『点の記』を放送していた。もう一度観たいと思っていたこの映画を、WOWOWを待たずにまた見ることができたのはとてもラッキーだった。 公開からすでに数回観ているが、先日のドキュメンタリー番組『剣岳測量の物語』を見たばかりだったので、今回は感慨深く視聴した。時代背景はさておき、難攻不落・立山信仰などの壁を越えて慎重に登攀ルートを吟味した結果、最…

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『インディペンデンス・デイ2』

    ETなど、宇宙から飛来した異星人を扱った映画は、はじめ地球人に対して友好的に描かれていたが、     前作の『インディペンデンス・デイ』からはどちらかというと、地球侵略を意図したエイリアンを扱うように     なった。     続作になるこの映画は、VFXをふんだんに使い、より大型になった宇宙船で飛来したエイリアンと戦う     シーンが映画の中心になっている。しかし…

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『クリーピー』

香川照之といえば、『点の記』で宇治長次郎役をやったのが強い印象に残っている。たしか歌舞伎の人なのだが、映画やドラマの方での活躍の方が多いだろう。映画では、その他さまざまな役柄をこなしているが好きな俳優の一人だ。しかしこの映画は、思わず嫌いになりそうな役柄だった。 偶然とはいえ、おかしな隣人が異常な殺人犯であったという、話であるが、香川がその気味の悪い嫌な奴に扮している。冒頭から非情な事…

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『64後篇』

警察内部の隠蔽工作、刑事部と警務部との確執。中央紙の記者と地方紙の記者、警察庁と県警・・。こんなにも組織内部には醜い争いがあるのか・・。まるで、どれもが本当のことのように描かれている。そこに14年前の未解決の少女誘拐殺人事件が絡んでくる。 毎日のように、次から次へと凄惨な事件が起こり、また痛ましい事故が起こっている現代。そうした事件や事故を聞くたびに、激しい憤りや深い悲しみに包まれる。…

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『海よりもまだ深く』

何気ない日常。こういったことって、じつは案外その辺に転がっているのだろうなぁ、と思う。『映画』というものが、何か特別なドラマや出来事やシチュエイションがなくても成立する、ということを教えてくれる。是枝監督の映画には、こうした特別でない、その辺にありそうな日常を切り取ったものが多いが、睡眠不足でもなぜか素直に観客になれる。 一度は文壇で新人賞をとり夢を見たが、15年もの間目が出ないまま取…

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『殿、利息でござる!』

木曜20時BSpreでは、歴史学者の磯田道史司会の『英雄たちの選択』が放送され、毎回興味深く観ている。その磯田さんの原作になるこの映画、ポスターや予告を観ると阿部サダヲ主演のコメディ、と勘違いするが、とんでもない、とても真面目なお話でなかなか内容のある映画だった。 江戸時代末期の仙台藩。重税に苦しむ庶民が考え付いた突飛な方法で、自らの窮地を救って行く。それは、テーマである無私ということ…

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『64』

『レヴェナント』はとにかく映像の凄さに圧倒された。カラーなのに、全編まるでモノトーンであるかのような厳しい雰囲気に包まれていた。それは1800年代初頭の、いわゆる西部開拓時代におけるロッキー山麓の極寒の地が背景にあったからだ。内容はそこで繰り広げられたひとつの事件であった。 正直言って、ディカプリオでなくてもあの映画は撮れたかも知れない。何故ならあの映画には何のストーリーもないからだ。…

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『ちはやふる』

3月の上の句に引き続いて、下の句を観た。両編ともとても面白かったし、清々しさがあって観ていて気持ちよかった。 …

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『スキャナー』

初め気弱そうで、もはや残留思念を読み取る力を封印してしまっている様子だった主人公だが、途中から積極的に事件に関与し始める。そして一気に事件解決に向かって行く。 冒頭の展開がまどろっこしく、睡魔に襲われたが、主人公がやる気になってきたのをキッカケに前のめりになった。話は意外な展開をみせて、好演していた関ジャニの安田くんが犯人であり、追いつめられ死んでしまう・・。 主人公が野村萬斎だ…

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『レヴェナント』

       オスカー俳優となったディカプリオ主演の話題作。だいぶ前に火曜『たまむすび』で町山さん        が紹介してくれていていたので、公開を楽しみにしていた。        話の内容はとくに何ということはなく、最愛の息子を殺し大怪我をしている自分を極寒の原野        に放置して去った仲間を追いつめ思いを果たす、というだけだが、そこに展開する壮絶ともい     …

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『頭文字D-夢現-』

時間はあるが、いろいろな予定も入ってきて3月末の晴天を逃した。4月に入ると天気が思わしくなくなり、ようやく今日は出かけるぞ、と準備をしてあったが、朝目覚めてみると雨になっていた。えーっ、曇りじゃなかったっけ・・。今夜は飲み会があるので、昼間の暇な時間を活かしたかったが残念。 運動ができないときは、映画だ。『頭文字D』シリーズの最終章、すでに2月に公開されていたが、やっとうちの方でも…

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『僕・・街』

まったく視野に入っていなかった作品だったが、映画館に出かけた。 春休みということで平日にも関わらず、意外に混雑していて驚いた。14年のマンガ大賞2位の人気のある漫画の映画化である、とあとで知った。 話は初めよくわからなかったが、要するに何か悪いことが起こるようなことがあると、リバイバルといって過去に戻ることができ、その過去を操作することによって未来を変えてしまう、といったものだ。…

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『家族はつらいよ』

『東京家族』の続編のような、違うような・・。でも、ありそうな話の中に笑いがあって、ほのぼのと楽しく見ることができた。ただし、受け狙いの笑いは必要なかったようにも思う。 飲み屋でらっきょうを食べるシーンをテイク100までやったというが、いぼ痔で痛がりながら座る様子は一度きりであとは普通に座っていた。また画面の奥の方で小芝居をするような画面作りをするなら、もっと肝心な部分にも拘って欲しかっ…

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『エヴェレスト 神々の山嶺』

夢枕獏のこの小説は、ずいぶん前から目についていたが、まったく興味を持たなかった。というのも、この作者が山登りをやるとは思えなかったからだ。 それが映画化されて春の公開ということだったので、原作も読まずに待っていた。公開前になって、撮影の様子などをダイジェストでWOWOWでやっていたが、確かにベースキャンプやその上部の映像や撮影現場が映し出され、5200mの高山で撮影された様子が知れたの…

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『ザ・ブリザード』

       アメリカ沿岸警備隊史上の金字塔といわれるペンドルトン号からの32名の救出劇を描いて        いる。映画は、60年も前の出来事をリアルにど迫力に再現している。        12名乗りの小さな救助艇を操り、2つに裂けてしまったタンカーを助けにたった4名の隊員は        猛烈な暴風雪の海に出動して行く。巨大な波を乗り越え、まるでサーフィンのように波の中 …

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『十字架』

先日卒業生に教えられ、興味を持ったので映画館に足を運んだ。 重い映画だった。いじめ、というが、実は暴行だった。ちゃかしたり、冷やかしたりという行為は、集団で人が集まると勢いで起こることであるが、あれほどの暴力が行われている現場で級友たちが何も思わない、という異常さがたまらなかった。 ずっとずっと昔のこと、隣り同士の級友が突然喧嘩を始めた。その気迫に押され我々は手を出すことも口を出…

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『オデッセイ』

予告編を観ていたときからワクワクして待っていた映画だ。時代は未来だが、いったいどれくらい先の話なのだろうか。 まず有人ロケットを火星に送っていることから、かなり先の時代であることがわかるが、時間の感覚は現代と違わない感じだった。砂嵐は火星の大きな特徴のひとつであるが、その対策が不充分のままあのようなミッションを遂行しているのが解せない。 そんなことはどうでもいい。不慮の事故で火星…

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『ブリッジ・オブ・スパイ』

先日、むかし観た『プライベート・ライアン』をWOWOWで観た。懐かしさもあったが、改めていい映画だ、と思った。きっとスピルバーグは、トム・ハンクスのことが好きなのだろう。 今年三本目の映画は『ブリッジ・オブ・スパイ』。二人のコンビだった。米ソ冷戦時代の実話に基づく映画、ということだったが、国と国がいがみ合っていても人の信義というものは失われるものではない、と語っていた。 先日の南…

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