梅雨明けの流石山

土砂崩れで林道の途中までしか車は入れないとの情報を得ていたが、通行止めのある日暮の滝の展望台に車を置き大峠を目指した。途中道路の崩壊現場には土嚢が積まれ、重機も入り工事も進められていた。去年4月に旭岳に登ったときの取り付き点を確認してその先の偵察を行いながら、少しずつ高度を上げて行く。傾斜の緩やかな林道は、のんびり歩くにはちょうどいい。
林道の終点からは岩ゴロの道となり少し歩きにくくなる。迂回路も切り開かれているのでこちらに回る。しかし所々泥濘があり、汚れを避けながら歩を進めて行く。相変わらず傾斜は緩く、足への負担は小さい。やがてスカイラインが落ちて、空が大きく開けて来ると大峠に出る。夏空が広がり、のびやかな笹原の稜線が東へ西へと延びていた。

R289アプローチからの裏那須の山々。
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通行止め手前に駐車して歩き始める。
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3ヶ所の崩壊で最も激しい所。
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大峠林道から稜線を望む。
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道端には、いきなり分からない黄色の花。
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林道の終点。ここからは山道になる。
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鏡ヶ沼への分岐点。
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石畳を避けた、右手に迂回路もある。
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スカイラインが落ちて来ると、大峠は近い。
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登り詰めたところが、開放感溢れる大峠。
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石仏に守られた大峠から流石山に向かう。
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ひといきついたら、木立のない笹原の斜面を登る。足元には高山植物が顔を出し始める。ハクサンフウロ・コバギボウシ・ヒメシャジン・シモツケソウ・ウツボグサ・コゴメグサらが咲いていた。振り返ると旭岳の姿が大きくせり上がって来る。雪のついた冬のあの威圧的な姿とは違って、何か雄々しさを感じさせていた。
傾斜が一段落すると、たおやかな稜線が流石山へと続いていた。また茶臼岳をはじめとして、那須連峰の山々も薄靄の中に眺められた。時折り風が流れると涼しさを感じたが、殆んど風もなく陽が差すと真夏の暑さを感じた。マルバダケブキの大柄な花が見られるようになると流石山山頂だ。今回はこのあたりの下見のつもりだったので、ここまでで目的は果たしたが、まだ時間もあるのでこの先の大倉山まで足を延ばすことにした。

足下にシモツケソウ。
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ハクサンフウロ。
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斜面を登りながら、振り向くと三本槍から那須の山々が霞んで見えた。11.jpg
やや北に目線を移すと、甲子旭岳が雄々しい姿を見せていた。
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コゴメグサ。
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コバギボウシ。
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ウサギギクに似ているが花弁の数が少ない。
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一段登ると傾斜が緩み、まさに稜線漫歩。
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不思議な色の・・。
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クルマユリ。
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奥の丸いピークが流石山。
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マルバダケブキが現れると山頂が近づいた。
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木立のない山稜は日差しを受けると暑い。
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稜線の小さな起伏を次々と越えて行く。笹の丈の長い場所では、濡れた葉がズボンを湿らせた。予報の発雷確率は高かったがまだそうした雲は出ておらず、稜線漫歩を楽しみながら進む。大倉山の登りになると五葉の泉と呼ばれる小さな池があった。これを過ぎてもうひと頑張りすると、大倉山だった。
この先、鋭角的な三倉山がガスの合間に見えた。大倉山から1時間と標柱には書いてあったが、それほどかかるとは思えず更に足を延ばした。
一旦下って登り返すのだが、途中アブの密集しているところを通過せねばならなかった。大倉山までの山稜とはやや異なり、高低差の大きい起伏を越えた先に尖った山頂への最後の登りが待っていた。これを一気に登り詰めると、新しそうな祠のある三倉山に出た。この先尾根は唐沢山を経て音金という集落に続いている。

流石山から大倉山への稜線。たおやかな峰が続いている。
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稜線にはトンボが数多く戯れていた。ガスの中に三倉山の姿も見えた。
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振り返ると、流石山の大きな山体に雲の影が流れていた。
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点在する池塘、五葉の泉。
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大倉山への最後の登りのように見えるが・・。
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気の早いナナカマド。
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大倉山山頂は、その少し先だった。
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ガスの渦巻く三倉山を目指す。
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これまでよりも鋭角的な山稜を見せる三倉山への稜線。
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ガスの中に尖ったピークが見える。
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登り上げると祠のある三倉山山頂に至る。
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山頂に見られたオトギリソウ。
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写真を撮ったら、来た道を帰る。アブの柱はひとつに減っていたが、凄まじい音を立てて密集していた。大倉山へ戻ると雲が濃くなって来たように思われた。流石山までは起伏はあるものの下り基調でリズミカルに下って行く。あとは大峠に下るだけだ。相変わらず、那須連山には靄が掛かっていたが、茶臼岳を背にして三斗小屋温泉には陽が当たり光って見えた。振り返ると三倉山が遠くに眺められた。草原のなだらかな山稜を三本槍ヶ岳や旭岳に向かって下って行く。天気は予報に反して晴天が長持ちしていた。黒い雲がやって来る前に山を降りたい。
ハクサンフウロの多い大峠、石仏に見送られ林道へ下る。緩い下りはスムーズに足が出て、程なくして林道終点。その後、アサギマダラがたくさん飛んでいるところを通過。ユラユラと舞うアサギマダラを追いかけ、飛ぶ姿を撮影して楽しんだ。去年の旭岳における取り付きの選択は、地図により十分検討したものであったが、一段登ったところでブッシュ帯の突破に苦労した。春先で雪が減っていたせいもあるが、そのブッシュを避けるルートが見出せるか、林道から地図と絡ませ窺ったが、草が生い茂りよくは分からなかった。そうこうするうちに、駐車ポイントに使った日暮の滝に帰着した。

来た道を戻る。光とガスの加減が、ブロッケンを見せてくれそうになったが・・。
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大倉山に戻ると、流石山へのい稜線が見えた。
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五葉の泉を見下ろす。美しい山並みが裏那須の真骨頂。
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流石山が近づいて来た。
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ヤマハハコ。
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茶臼岳の手前に三斗小屋温泉の建物が光って見えた。
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ウツボグサ。
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大峠へ向かって下って行く。
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甲子旭岳、何度見てもカッコイイ!!
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峠から林道へ降りて行く。
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ホトトギスのような・・。
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泥濘の残る迂回路。
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林道を下って行くと、アサギマダラがヒラヒラと飛び交っていた。
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駐車ポイントの日暮の滝を望むところに帰着。
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この記事へのコメント

  • 芝刈り爺さん

    きれいな写真、たくさんで,いい山ですね。チョウチョの飛遊する姿も,良く捉えましたね。旭岳、確かにかっこいい。もう一つの朝日岳がニセ穂高と言われ、流石、大倉、三倉は,ミニ飯豊なんだそうで。私は,この旭岳が(行った事ないのですが)立山からちらりみた剣のように思えてきました。敢えてミニ剣とは言いませんけど。花の多いところですね。那須を裏の西からみるのもこれも一興。私好みの,静かな山脈、という感じです。写真と紀行文、楽しませてもらいました!ありがとうございます。そうそう、花の名前も覚えられますね、これで。
    2020年08月08日 08:43
  • argo

    芝刈り爺さん、おはようございます。
    たぶん、このあたりは芝刈り爺さんの大好きな雰囲気ではないでしょうか。たおやかな山容
    というのが、飯豊山塊と似ているということでなのでしょう。梅雨明け直後ということで
    人出を気にしていましたが、静かな山々でした。甲子旭岳はピラミダルでとてもカッコよく
    見えました。楽しんで戴けたら幸いです。
    2020年08月08日 08:52