『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』

エベレストに役所広司が出ている、というので録画してあった。
戦争を引き起こしかねない機密文書をエベレストに墜落した飛行機から取り戻すためのミッションに役所広司隊長の遭難救助隊が依頼を受けて立ち向かう。設定が何だかよくわからないが、山岳サスペンス映画ということで一寸だけ期待を持って観た。
日中合作なので、中国語や英語が出て来る。字幕で凡そのことは理解できるが、いまひとつ設定が分からないまま進行して行くと、雪崩に追われる新人救助隊員を役所がヘリから飛びついて助ける、というとんでもない展開が印象的。これは二人とも死んだでしょ、という場面だった。
氷壁.jpg更に映画が進んで、エベレストを登って行くのだが、とてもエベレストを歩いているようには見えない。セットか、と思ったがとてもよくできている様子から、本物の雪山であろうことは分かった。しかし、歩いている斜面の傾斜は小さく、また何かトラブルで殴り合うようなシーンは平らな雪面。
ところがいきなり断崖絶壁に落ちてしまったり、宙ぶらりんになってしまう。しかし、信じられない神業でアイスバイルを氷に引っ掛け、落ちない。
天候悪化で下山、といっても先日の赤面山よりも穏やかな雰囲気。思いがけなかったのは、後半隊長は悪い奴にピッケルで刺され、"えっ、こんな段階で主役が死んじゃうの" と思ったが、ラストの新人救助隊員の絶体絶命のピンチに助けに出て来る。有り得ない展開。
死んじゃいなかったのだ、不死身ということか!? ところがザイル一本で断崖に落ちた二人を支える、なんてことに・・。結局持ち堪えることは出来なく落ちて行くのだが、パラグライダーが開きホッとするも束の間、結局悪い奴と隊長は奈落の底に落ちて行く。壁.jpgそれまでの流れからすると、どこかに引っ掛かっていて、あとでまた助けられるのかと奇跡を信じていた。
新人救助隊員がギザギザの氷壁をダブルアックスで登って行くシーンは、ウェリ・シュテックでも勝てないシーン。ザックが小さい割に重要なものが入っている。まるで私のザックのようなものだ。洞穴があって避難するが雪の吹き溜まりもなく、雪に埋もれることもなくて、これ以上の好都合はない。
いやいや突っ込みどころ満載で素晴らしいが、舞台がエベレストという、ここがポイントのこの映画、イメージからするとあまりに程遠い。無酸素、ゴーグル・メットなし、顔肌露出、そして雪山では最も大切なピッケルやアイスバイルにリーシュなし、という細かいところはお構いなしという、とても大雑把なセッティングにも拘らず、内容的にも単純で陳腐な映画だった。
ただ、本格的な雪山でのロケ、氷壁登攀のリアルな見事さなど、ちょっぴり面白く楽しめた。悪いが、よく名優役所広司が出演オファーを引き受けたな、と思った。

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この記事へのコメント

  • 芝刈り爺さん

    なるほどなるほど、、。見る人が見るとあれ?あれれ!!ということも多くあるんですね。いつ頃か、ホワイトアウト、、だったかのシーンで、何で息が白くなっていないの!とか気づいた、映画好きの同僚がいました。細かいことですが、細かいことだから気をつけて、作ってほしいんですけど、そんなことどうでもいいや、、という感じで、押っつけで作ったんでしょうね。役所広司は、なんと、失楽園!?以来ファンですが、ちょっと格を下げちゃいますね。こういう映画ができていることも知りませんでした。この頃映画も全くご無沙汰です。
    2021年01月28日 11:15
  • argo

    芝刈り爺さん、こんにちは。
    この映画、2019年11月の公開でした。WOWOWで先日放送されたものです。
    別にあら捜ししているわけではないのですが、実際に山登りをいろいろ経験していると
    目についてしまう細かいところがあります。そういうのは除外視して・・というのもある
    のですが、リーシュなしでダブルアックス登攀なんて有り得ません。そのくらいの基本は
    押さえてもらいたいですね。
    2021年01月28日 12:53