雪解け進む

いままで何度も出かけていたが、この時期のこんな状態のこの山を見たのは初めてだった。
林道の雪の上には、杉の小枝が巻き散らかされ、シールで登って行くのも憚るような雰囲気だった。唖然としたのは、いつも軽く下った堰堤部を渡るヶ所だったが、ナント渡渉を余儀なくされた。勢いよく水が流れているのだ。
これには驚いた。岸にはフキノトウが咲いていた。こんなことも初めてのことだった。さらに上部へと登って行くと、雪面には相変わらず木の枝が沢山落ちており、とてもきれいな雪山とは言えず、早すぎる春の訪れを感じた。

林道の入口、かなり遅い残雪期の様相に驚いた。
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この堰堤に滑り込むルートを考えていたが、これでは無理。
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雪が切れ、沢の流れにフキノトウ。
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山に取り付いても初めはこんな感じ。白い雪山はどこへ?
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山が白くない。雪解けが進んでいる証拠だ。
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不意に振り返ると、いつもの風景が広がっていたが、北の方からガスが流れ込んで来ているのが見えた。足下には四つ足の動物の足跡がずっとついていた。熊ではないだろうなぁ、と思いながら足跡に沿って登って行く。樹林を抜けると雪解けの進んだ山々が見え、山頂稜線のピークが光って見えた。
この辺りから稜線に向かって直登を始めると雪山は本来の姿を見せるようになった。しかし予報に反して稜線にはガスが巻いており、なかなか日差しが稜線の西側斜面に届いて来ない。そのため、雪面は硬くガリガリだった。そして稜線が近づいて来ると斜度は増し、滑落しそうになりながらの登攀を強いられた。
時折り、ガスの合い間から太陽が姿を現すが、周囲の山々を十分に照らし出すには至らず、展望もそこそこにようやく稜線に出た。いつもはこの稜線に出たところで感嘆の声を上げるところだが、見渡す限り真っ白で何も見えなかった。ここからの雪の回廊はもちろん、谷を隔てた向こう側の純白の峰々が見事な連嶺をなしているのも見ることが出来なかった。それでもガスは絶えまなく動いていて、山頂付近まで山がその姿を見せるシーンも出て来た。

振り返るといつもの山々が遠望された。
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爪のある四つ足動物だ。
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雪解け進む山の向こうに、山頂稜線の一角が見えた。
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それでもちょっとずつ雪山っぽくなって来た。
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北側からガスが押し寄せて来る。
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あの斜面が真っ白ならば、さっきの堰堤まで滑り込めるが・・。
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木立の合い間から頂上稜線が見えた。
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次第に壁のようになって立ちはだかる斜面。
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頂上はあの光るピークより右手にある。カチンコチンの雪面にエッジの効きが鈍い。
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この斜面の核心ともいえるところ。滑落の不安に耐える。普通は板を外すだろう。
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微妙なバランスの中、おいしそうな南側の西斜面を眺める。
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いつもあそこには雪庇が発達するが、山頂ではない。
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痺れる斜面を登り切る。
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ところがご褒美はなく、真っ白いガスにまかれる。が、暫らく待っていると、パアッと晴れて来た。
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とりあえず、山頂に登ろう。小さな起伏を越えて少しずつ登って行くと、次第にガスが取れて、タカマタギへの山稜も見えて来た。稜線にはスキーの跡は見えなかったが、多くの足跡が見られた。やがて、尖ったピークを見せる山頂が目前に迫り、急斜面を登り切ると藪が露出している山頂に出た。周囲の山々の展望は得られたが、遠方の大展望は相変わらずのガスの中で見ることは出来なかった。風もなく穏やかな山頂の憩いを楽しみながら、晴れ間が見えるとシャッターを切った。その後もガスの切れ間は部分的で、大きく青空が広がることはなかった。

スッキリとは晴れないまま、山頂に向かって行く。
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振り返ると、南北に連なる稜線が見えて来た。しかし、向こう側の山は見えない。
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そしていよいよ山頂が見えた。もう指呼の間だ。
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この急斜面を登り切ると山頂だ。
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タカマタギのピークも見えて来た。まさに春山の風情。
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山頂のブッシュがこんなだったとは、今回まで知らなかった。
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暫くガスの取れるのを待つが、いたずらに時間だけが経過した。
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西に向かう稜線方向はガスが立ち去り、スッキリと晴れて来た。
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ほんの少しだけ、東側の山稜が姿を見せたが・・。
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下山を決め、滑降に入る。できれば、以前開拓したルートを滑りたかったが、雪解けが進んでおり、また出口の谷に雪がついてないことから、登って来た斜面に沿って下ることにした。硬い斜面の滑降は、スピードが乗り危うく雪庇を越えて稜線から落ちて行きそうになったが、板のコントロール宜しく尾根からのドロップポイントに出る。
まだこの西側斜面には日が当たっておらず、ガリガリのバーンが待っていた。果敢に飛び込む。とても縦には滑れない。ターンを細かく繰り返して落ちて行く。斜度をかわすために少しずつ斜めに下り、登って来たルートより南側にラインをつけて下って行く。今年は雪が多かったようだったので、出かけるのを遅らせてしまったが、やはりもっと早く来るべきだったと悔いた。
やがて雪も緩んで来て、コントロールしやすくなって来た。振り返ると、稜線を覆っていたガスも引き始めているらしく、山々が良く見えるようになった。疎林の斜面を楽しみながらいつしか渡渉点に戻って来た。面倒だが板を担いで、わずか2m程の沢を渡る。こんなところでドボンはごめんだ。あとは、杉の小枝いっぱいの林道を避けて沢沿いの林間コースを滑走して車のデポ地へ戻った。

一瞬の滑降で、あっという間に山頂は遠のいて行く。
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流れ来るガスで先が見えなくなる。雪庇から落ちないようにスリリングな滑走になる。
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ほんの少しだけ、南側の稜線の先に雄大な山稜が望まれた。
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ドロップポイントまで降りて来た。
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この斜面を滑って行く。
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日差しがようやく届くようになった。
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この辺り随一のお気に入りバーンを滑走。
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呼吸を整えながら、チラリと山頂を振り返る。
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斜度が緩んで広場に出て行く。
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樹林帯を抜けてドンドン高度を落として行く。
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次の広場で、もう一度山頂を振り返る。
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渡渉点。板を担いで飛び石伝いに渡る。
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最後は林道に沿って最後の滑走。
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この記事へのコメント

  • 芝刈り爺さん

    凄いですね、ガリガリ、バリバリスキーのエッジをたてて、、上ったり下ったり、よくぞやりました!という感じで、私には、、いやいや多くの方にできない世界を堪能されていますね。遠くの方に見えたのは、、苗場??ここはどこ、、という感じですが、すさまじく激しい、そしてきれいな光景ですね。凄い凄いです。
    2021年04月03日 17:26
  • 芝刈り爺さん、追伸

    足跡は、キツネではないでしょうか。タヌキは、こんな寒いところには、いなさそう。
    キツネと思いますけど、、。
    2021年04月03日 17:29
  • argo

    芝刈り爺さん、こんばんは。
    足跡はキツネですか!? しっかりした足取りでずっと上部まで続いていました。
    なかなかいい山でしょう。去年はパスしましたが、来年はもっと早く出かける
    つもりです。
    2021年04月03日 20:03